つながらない権利
朝のワイドショーでつながらない権利について取り上げられていたらしい。
従業員が就業時間外や休日には、仕事上の電話やメールに対応する事を拒否する権利を『つながらない権利』と呼ぶのだそう。
このご時世、在宅勤務者が増加している事も取り上げられた背景にあるのだろう。
仕事と私生活が同じ空間で営まれ、自ずとその境界が曖昧になっていき…。
そんな惨状は在宅勤務者では無い私にも想像に易いように思う。そして
在宅勤務者でないが、時間なんて関係なくそんな連絡腐るほど来る。と嘆く方も相当数なのではないかなとも思う。(逆に完全に分離できてます。っていう人っているの?)
かく言う私も類に漏れず『つながらなくてはならない義務』に腐心している者でもある。
着信音が聞こえたときのあの暗澹たる気持ちや…。
先日の一件。
外での一仕事を終え、車内へ。置いてあったスマホを確認すると、上司からの着信2件。
あれ、上司は今日休みだったよな…。休みなのに連絡って…。
トラブルか…。
気はみるみるどんよりと曇っていく。これから少し遅い昼休みだと言うのに…
ため息ながらに返信。
『今〇〇(上司の家近辺)にいる?』
『いや、今△△(上司の家から離れている)です。何かありました?』
『そう、もう昼飯食った?』
『これからですけど…何かあったんですか?』
『…いや、車検でダイハツの代車借りたんだけどさ…』
『??はぁ…』
『燃料入れたいんだけど、コック開けるレバーの位置わかんなくてさ…教えてもらおうと思って』
はい?!…それ俺?! 俺なの?!
俺じゃなきゃダメ?!
確かにダイハツの車には乗ってますよ。 だからって俺の出番?!
とは、口に出せる訳もなく自分の車のレバーの位置を伝えるも
『あ~そこには無いんだ~。』
…知らんがな!だから順番間違ってるよ!ダイハツ車が全部同じ造りなのかも、俺も知らん! マニアでもなければ勤めていた経歴なんてない! ディーラーに聞くか代車借りたとこに聞いたら一発だろ!
とも、口に出せる訳もなく
『…車種とか…分かるんですか?』
『…分かんない。どこ見ればいいの?』
『…。後ろとか見たら…。』
ーチーン。。とほほである。
同じ車種だったから掛けて来たわけでは、やはりないらしい。“ダイハツ“その一点のみだ。
安易と言うかなんと言うか。理解に苦しむ。
仮にだ、今現在、車種を断定していなくてもそれは置いといて、
どこ見ていいか分かんない。ってのは何?どういう事だ?
俺より全然長く運転歴もあるし、
なんなら俺よりも車に詳しいし、今までも何台も入れ替えて来たって言っていたのは?何?嘘?得意の見栄か?!
理解に苦しむどころか理解する気も失せてしまう。
俺から上司へ、だとしたら、こんな事で相談なぞ出来るだろうか?(する気もないし、おきない)
したところでどうだろう?(無駄に機嫌損ねることだけは自明だ)
じゃなんで俺だ?
きっと答えは単純なのだろう、『部下』 だからだ。
その後、車種も分かりネットで調べて、上司に伝えた。
レバーの位置は俺も想像すらしない場所だった。
最初から連絡する相手を間違っていたことを結果は証明していた。
つながらない権利とは直接的に結びつかない件ではあるものの、全く無関係とも違う気もする。
そのワイドショーでひとりのコメンテーターは言っていたそうだ。
上司と部下との信頼関係が重要、関係良好か否か、良い上司か悪い上司か、によっても違う、結局、人間関係だと。
分かる気はする。
けれどそれだけでは何も解決しないのが現実だろう。
そして、こういう取るに足らない小さな事から信頼関係は崩れていくのも事実だ。